TYPE-MOON新作のうち、「月姫」はレーティング未定ですが、「魔法使いの夜」「Girl's Work」の2作については全年齢とされています。全年齢版をWindowsでリリースすることについて、武内氏インタビュー@TYPE-MOONエースで以下のような問答がありました。
ハード的な制約(Xbox 360やプレステ3なら制約は和らぐのでしょうが、いかんせん普及台数がまだまだですよね)や規制の問題は確かにあるのでしょうが、僕はもう1つ理由があるのではないかと思っています。
それは、コンシューマ移植を他社(Fateなら角川書店というように)にやらせてあげることで、利益を“還元”することです。
これを説明するにはまず、エロゲ移植ビジネスについて触れておく必要があるでしょうか。
そもそもなぜエロゲを“コンシューマ”メーカー(例:プリンセスソフトやかつてのNECインターチャネルなど)が家庭用ハードに移植したがるかというと、新規にゲームを開発するよりはるかにお手軽にリリースできて、かつそこそこ売れるからです。実は移植作を買う人というのは大半が元のエロゲ版のユーザーなのですが、しかし元のユーザーのうち結構な割合が、コンシューマ版のユーザーとして計算できたりします。Fateほどのビッグタイトルになれば、労力:売り上げ比がさらに良くなるのはお分かりでしょう。しかもレアルタヌアは一度TYPE-MOON自身がWindowsで制作したものをPS2に移植しているのですから(むろんボイスは除く)。
で、ここから先が肝心なのですが、エロゲがコンシューマに移植されてもエロゲメーカーに入る金額はたいしたことがありません。定価の何%×出荷本数とか、そんなものです。エロゲメーカーにとっては自分でゲーム作って売るのに比べたら端金でしかありません。
結局コンシューマ移植ビジネスというのは、発売元=コンシューマメーカーが一番儲かるように出来ているのです。まあ、そうでなければそもそもコンシューマ移植のビジネス自体が成立しないのですが。
しかし最近は、エロゲメーカー自身が発売元になってコンシューマ移植を手がける例が増えてきました。サーカスがそうですし、あとARIA(オーガスト)やみなとすてーしょん(みなとそふと)なんかも含まれるでしょうか?
これをやると、コンシューマ版の利益がまるまるエロゲメーカーの懐に入ってきます。まあオーガストやみなとそふとが自分たちでコンシューマ版の開発してるとは思えないので実作業は外注に出しているのでしょうが、その外注費を差し引いても十分な利益がエロゲメーカーの手元に残るわけですね。
だから本当は、自分の名前でコンシューマ版を出す方がエロゲメーカー的には一番儲かるのです。それは、元のエロゲが人気作であればあるほどはっきり現れます。
しかしTYPE-MOONは、自分ではあくまでPC版を作り、移植は他の会社に託している。つまり、ほかの会社がビジネスをやれる機会を作ってあげているわけです。最初からコンシューマハードでリリースしてしまうと、その機会がなくなってしまう――それが、2作があくまでもWindowsでリリースされる原因です。
そしてこれはただの思いやりなどではなくて、ビジネス的計算の結果だと思います。自分たち以外の会社に儲けさせてあげれば、相手との繋がりもより強くなり、数字だけではない利益に繋がるからです。Fateの移植を手がけたのがマスコミである角川書店であったことが、その証拠でしょう。エンブレでもメディアワークスでもなかったのは、単純に角川が一番強いからですよね。
……とかなんとか言って、あとで18禁版がTYPE-MOONからリリースされたら笑いますけど。たぶんそれはないような気がします(理由はなんとなく)けど、しかし今の時流から言って否定できないのも悲しいところ。
■関連記事
・TYPE-MOONはエロゲ界のブリタニア帝国にでもなるつもりか?
・TYPE-MOONエースの武内崇インタビューについて、表と裏を分析する
――(「魔法使いの夜」が)全年齢向けなのに、家庭用ゲーム機ではなくPCをプラットフォームに選んだのは、なぜでしょうか?
武内 単純に、PS2などに比べて画面の解像度が高くて、きれいな絵を見せられるからです。今のところは、PCをプラットフォームとして作品を提供していくことに、なんの不自由も感じていません。また、家庭用ゲームはいろいろと規制が厳しいので、表現の自由を制限されたくないというのも、大きな理由ではありますが……(笑)。ただ、対象年齢はある程度低めに設定しているので、家庭用ゲーム機への移植は視野に入れたいですね。(後略)
ハード的な制約(Xbox 360やプレステ3なら制約は和らぐのでしょうが、いかんせん普及台数がまだまだですよね)や規制の問題は確かにあるのでしょうが、僕はもう1つ理由があるのではないかと思っています。
それは、コンシューマ移植を他社(Fateなら角川書店というように)にやらせてあげることで、利益を“還元”することです。
これを説明するにはまず、エロゲ移植ビジネスについて触れておく必要があるでしょうか。
そもそもなぜエロゲを“コンシューマ”メーカー(例:プリンセスソフトやかつてのNECインターチャネルなど)が家庭用ハードに移植したがるかというと、新規にゲームを開発するよりはるかにお手軽にリリースできて、かつそこそこ売れるからです。実は移植作を買う人というのは大半が元のエロゲ版のユーザーなのですが、しかし元のユーザーのうち結構な割合が、コンシューマ版のユーザーとして計算できたりします。Fateほどのビッグタイトルになれば、労力:売り上げ比がさらに良くなるのはお分かりでしょう。しかもレアルタヌアは一度TYPE-MOON自身がWindowsで制作したものをPS2に移植しているのですから(むろんボイスは除く)。
で、ここから先が肝心なのですが、エロゲがコンシューマに移植されてもエロゲメーカーに入る金額はたいしたことがありません。定価の何%×出荷本数とか、そんなものです。エロゲメーカーにとっては自分でゲーム作って売るのに比べたら端金でしかありません。
結局コンシューマ移植ビジネスというのは、発売元=コンシューマメーカーが一番儲かるように出来ているのです。まあ、そうでなければそもそもコンシューマ移植のビジネス自体が成立しないのですが。
しかし最近は、エロゲメーカー自身が発売元になってコンシューマ移植を手がける例が増えてきました。サーカスがそうですし、あとARIA(オーガスト)やみなとすてーしょん(みなとそふと)なんかも含まれるでしょうか?
これをやると、コンシューマ版の利益がまるまるエロゲメーカーの懐に入ってきます。まあオーガストやみなとそふとが自分たちでコンシューマ版の開発してるとは思えないので実作業は外注に出しているのでしょうが、その外注費を差し引いても十分な利益がエロゲメーカーの手元に残るわけですね。
だから本当は、自分の名前でコンシューマ版を出す方がエロゲメーカー的には一番儲かるのです。それは、元のエロゲが人気作であればあるほどはっきり現れます。
しかしTYPE-MOONは、自分ではあくまでPC版を作り、移植は他の会社に託している。つまり、ほかの会社がビジネスをやれる機会を作ってあげているわけです。最初からコンシューマハードでリリースしてしまうと、その機会がなくなってしまう――それが、2作があくまでもWindowsでリリースされる原因です。
そしてこれはただの思いやりなどではなくて、ビジネス的計算の結果だと思います。自分たち以外の会社に儲けさせてあげれば、相手との繋がりもより強くなり、数字だけではない利益に繋がるからです。Fateの移植を手がけたのがマスコミである角川書店であったことが、その証拠でしょう。エンブレでもメディアワークスでもなかったのは、単純に角川が一番強いからですよね。
……とかなんとか言って、あとで18禁版がTYPE-MOONからリリースされたら笑いますけど。たぶんそれはないような気がします(理由はなんとなく)けど、しかし今の時流から言って否定できないのも悲しいところ。
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